INTERVIEW2022.06.30

#世界をちょっと気持ちよくする
そのためにクラムボンが考えていること。

気持ちよい音楽を奏でるクラムボンの3人が、日々大切にしていることとは

4月に公開された「NONIO」TVCMの使用楽曲「サラウンド」は、今から21年前に発表されたクラムボンさんの作品。
今回はメンバーの3人が登場。彼らの考える「#世界をちょっと気持ちよく」とは?またそのためにできることとは?
お話を伺いました。

PROFILE

クラムボン

クラムボン

原田郁子、ミト、伊藤大助のスリーピース・バンド。1995年に同じ専門学校の3人が出会い、原型となるバンドを結成。1999年、シングル「はなれ ばなれ」でメジャー・デビュー。これまでに10枚のオリジナルアルバムを含む通算19枚のアルバムを発売。2021年8月に開催された「東京2020パラリンピック開会式」に楽曲提供するなど、現在も意欲的に活動を続ける。

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  • ”ちょっと気持ちよい世界”について、考えてもらいました。

  • あなたにとって”ちょっと気持ちよい世界”とは、どんな世界ですか。

    あなたにとって”ちょっと気持ちよい世界”とは、どんな世界ですか。
    原田郁子

    原田郁子 :やることに追われて、次から次へと、とてつもない量の情報や、信じがたいニュースに晒されて、自分でも気がつかないうちにすり減っている神経を、からだを、ふっと休ませてあげられるようなスペース。自然を感じられる場所で、無重力みたいにポカンと横になって、何にもしなくていい、ごろごろしたりくつろいだり、昼寝したり、好きなことをする。一人一人が、心のシェルターのような場所を持っていて、一時的にそこへ避難して、すべてから距離をおける。自分を守るために。

    伊藤大助

    伊藤大助 :「自分に寛容であることが、他者や外の世界への寛容につながり、それが積み重なって、優しい雰囲気が醸成される」という世界を思い描きます。自分への寛容のために、日々生じる歪みや、望みと現実のギャップなどにポジティブに相対しながら、自分の信じる「良かれ」を増やし整えていきたいものだと考えています。

    ミト

    ミト :僕は音楽家なのでどうしても物事を創作の観点で結びつけてしまうのですが、やはり自分達が発信、声あげて伝えていくことがスムーズに伝えたい人達に届き、そのレスポンスがポジティブな結果をもたらす状況を、"気持ちのよい世界"と考えます。

  • プライベートでそれぞれが感じる「気持ちよい」とき。

    原田郁子 :風がぬける時。家の中で、歩いていて、運転していて、野外フェスで、どんな時でも、風を感じられると気持ちよくて嬉しい。人との関わりも「なるべく風通しがいいように」と心がけているかもしれません。

    伊藤大助 :ウォーキングやランニングをしているときが、ひとり自然を眺めながら安らげる時間です。

    ミト :美味しいご飯、美味しいお酒、楽しい仲間と語る時間。これに尽きます。

  • 私たちが出来る
    #世界をちょっと気持ちよく とは?

  • 自分自身を大切にすることで #世界をちょっと気持ちよく。
    その先の自分の周りや世界に対しては、みなさんどんなことを意識しているのでしょうか。

  • 大きなことでなくても良い。
    小さなことを少しずつ

    自分にとって、ちょっと気持ちよい世界にするためにしていることはありますか?

    原田郁子 :鼻歌を歌う。呼吸をととのえる。空を見る。「美味しい」と思えるものを食べる。晩酌する。眠る。

    伊藤大助 :ちゃんと挨拶をする、謝意を伝えることを心がけています。

    ミト :昔は自分のために曲を作っていた気がしていましたが、最近はもっと聴いてくれる人のシチュエーションに機能する曲を作りたいと思っています。無闇に曲を作り過ぎないことも、自分の"世界をちょっと気持ちよく"することだと思っています。

  • 「#世界をちょっと気持ちよく」したいと思って、実践していることはありますか?

    原田郁子 :引っ越しをしたときに、人にあげられるものはあげて、リサイクルできるものはリサイクルして、ゴミが出たら分けるようにしました。ほんとうに小さなことだけど。

    伊藤大助 :日々のウォーキング、ランニングに使うシューズやウェアを求める際に、リサイクル素材のものを選んだりしてみています。

    ミト :あまり大きいことではありませんが、自身が首都近郊に住んでいることもあり、移動可能な距離は自転車を使っています。ささやかですが運動にも繋がりますし、日差しや風を受けて街を眺めていると、色々な刺激を受けます。タクシーに乗って移動するより、何故か自転車で移動している方が曲のコンセプトやリリックのアイデアが出ます。何でですかね。

  • クラムボンが考える、
    気持ちよい音楽について。

  • 音楽活動を通して、「気持ちよい」と感じるのはどんな時でしょうか?

    原田郁子 :野外でライブをしている時。その音に包まれている時。お客さんたちが色とりどりの服を着てゆらゆらと気持ちよさそうにしてくれているのを見ると、心の底から嬉しくなる。出演者、スタッフ、オーディエンス、誰かと誰かの境がなくなっていって、会場と、山や海、風や陽射しが一体化していると感じられる時。「あぁ、終わらないで、このままずっとつづいてほしいーーー」と思います。

    伊藤大助 :一生懸命準備してきたライブやレコーディングを終えた時でしょうか。束の間、報われた気持ちになる時間です。

    ミト :やはり曲の作り終わった後の達成感と、それをプレイバックした時の感動は替え難いものがあります。

  • 音楽が気持ちよさを与えてくれる瞬間とは?
    気持ちよいと感じる曲があれば教えてください。

    原田郁子 :たくさんあります。自分にとって心地いい声、気持ちいいリズムに出会えると、何度も何度も繰り返し聴きたくなる。最近は、Stromaeさんのアルバム『Multitude』を爆音で聴きながら、踊ったり片付けたりしています。

    伊藤大助 :リスナー各人が気分にフィットしたと感じた時、それぞれの世界に「ちょっと気持ちよい」がもたらされるといいなと思っています。
    最近はウォーキングやランニングをする際に、UKのジャズドラマー、Richard Spavenのアルバム『Sprit Beat』をよく聞いているのですが、中でも1曲目の「Nova(feat.Jodan Rakei)」が特に気持ちがいいと感じています。アコースティックドラムの温度感と独特なグルーヴに身を任せてみると、孤独な日課がちょっと特別な時間に感じられます。

    ミト :有ります。それが無かったら、そもそも自分が音楽も、生活も出来ていなかったからです。自分が今楽しく生きていける理由を、自分の生活に準えて発信できるアーティストでいたいと、いつも思っています。

  • 発表から21年の時を経てCMソングに採用された名曲「サラウンド」について、
    メンバーのみなさんの思いをお伺いしました。

  • クラムボンの3人にとって今も変わらず
    ”背中を押してくれる”一曲

    「世界を気持ちよく」篇(30秒)

    CMソングとして「サラウンド」の採用が決まった瞬間の感想は?

    原田郁子 :「!!!!!」びっくりマークがたくさん浮かぶほど、嬉しい出来事でした。選んでくださった皆さんに感謝します。

    伊藤大助 :楽曲が生まれて20年を超えて、今も社会と関わりを持って多くの方に届けられるありがたみを感じました。

    ミト :作曲家の立場から言わせて頂くと、正直不安でした。どんなに自分にとって良い曲だったとしても、果たして21年も前の曲が2022年のみなさんの生活にフィットするのだろうか?という、怖さみたいなものが有りました。

  • 「サラウンド」は2001年に発表された楽曲。
    時を経たことで変わった気持ちや感触があれば教えてください。

    原田郁子 :20代前半に、自分たちが自分たちの背中を押すようにして、クラムボンと亀田誠治さんでつくった楽曲です。今でもライブで演奏すると、光が差し込んで、ぐんと力が湧いてくるような感覚になります。

    伊藤大助 :私にとっては現在も「サラウンド」を演奏するたび、曲と詞に励まされ、背中を押してもらっている思いがしています。

    ミト :確実に響きが変わった歌詞があって。郁子さんが2001年に唄ったサビの最後の「きっと」と1番最後の「ずっと」は、この曲を21年唄い続け、演奏し続けたからこその「きっと」であり、「ずっと」であると感じます。